「B.R.アンベードカル及びエンゲイジド・ブッディズム研究会」(以下、BRA研)と南天会「佐々井秀嶺資料室」は、佐々井秀嶺師の保存史料をデジタルアーカイブ化する作業に2016年から協力して取り組んできました。これらの保存史料は、佐々井師自身が1965年前後から現在まで残してきた手記や日記、手紙、動画、写真、新聞の切り抜きなど多岐にわたっています。これらの中には研究資料としての価値が高いものが数多くあり、佐々井師の活動に関心のある一般の方たちにとっても非常に興味深いものと考えられます。
BRA研は、2015年に人類学と南アジア地域研究を専門とする根本達、関根康正、鈴木晋介、仏教学とインド思想を専門とする志賀浄邦の4名が立ち上げた研究会です。B.R.アンベードカル博士による不可触民解放運動、佐々井秀嶺師による宗教思想と実践、現代インド仏教徒たちの反差別運動と生活世界について研究を行っています。
インドでのフィールドワークや研究会での議論を通じて、これまでに『社会苦に挑む南アジアの仏教―B.R.アンベードカルと佐々井秀嶺による不可触民解放闘争』(関根康正・根本達・志賀浄邦・鈴木晋介、2016年、関西学院大学出版会)や『ポスト・アンベードカルの民族誌―現代インドの仏教徒と不可触民解放運動』(根本達、2018年、法藏館)、「虚空を造形する佐々井秀嶺の宗教表現の分析―岩田慶治の新アニミズム、C.S.パースの記号論、佐藤信夫のレトリック論を視座として」(根本達、2021年、『文化人類学』86巻3号)などを研究成果として発表しています。
これまでにJSPS科研費JP16H03533およびJP20H01401、稲盛財団2019年度稲盛研究助成(人文・社会科学系)、トヨタ財団2019年度研究助成プログラムの助成を受けてきました。
2013年に佐々井秀嶺師関係資料の保存アーカイブ化を目的として、有志の支援者である小林三旅(ドキュメンタリー映像作家)、佐伯隆快(真言宗僧侶)、小山奈々子(クリエイティブディレクター)は、佐々井秀嶺資料室準備委員会を立ち上げました。その後、準備委員会はインド現地での資料確認・整理、撮影、日本への移送などを行いました。
2014年には準備委員会を発展させ、佐々井師公認支援団体南天会が発足しました。同準備委員会は、南天会の内部組織「佐々井秀嶺資料室」となり、資料保存、資料収集、関係出版物の管理などを行っています。2016年以降、BRA研と共同作業を実施してアーカイブ化を進め、佐々井師およびインド仏教の基礎資料の公開を目指しています。
2020年に一般社団法人化した南天会は、佐々井師支援者の取りまとめ、支援金の送金、佐々井師来日の準備・企画、支援者などによるインド訪問の企画、インド仏教徒との交流などを行っています。また日本における佐々井師の周知・顕彰にも努めています。会報『龍族』を発行し、佐々井師の活動や本プロジェクトの報告を行なっています。
このウェブサイトに掲載されている写真と映像の情報を収集しています。撮影者や撮影年、撮影場所などをご存知の方はお知らせください。また個人で保存されている写真や映像をご提供いただける方はご連絡ください。送付先などをお伝えいたします。
ご連絡はお問い合わせからメールでお願いいたします。